コラム
Column[#KeepgoingTOGETHERプログラム] 第18弾 千石史子 コンサート・アーカイヴ公開
1. オンライン配信を実施しての所感
これまでコンサートでの演奏を主軸に活動しており、オンラインでの配信をすることにまったく意識を向けていませんでした。これまでライヴに勝るものはないと考えていたからです。しかし、この状況を前向きに捉えることで世界中の方々にネット上でいつでも自分の演奏を視聴していただけることには非常に魅力を感じており、引き続きできうる限りで配信していきたいと思っております。演奏活動がまったくできないなか、このような表現の機会をいただけたこと、さらには新しい視点に気づけたことは本当に幸いであり、心よりEU ・ジャパンフェスト様に感謝申し上げます。
第1弾配信 「Edvard Grieg “Spring “ op. 33 no. 2」
2. オンライン配信で得た成果と課題
入場料を支払ってご来場くださったお客様のことも考えると過去の演奏動画をたくさん配信することは失礼にあたるので不可能ではと考えており、また、そもそも配信を目的として撮っていないということも少なからず問題に感じておりました。
とはいえ、新しく配信用に収録したいとも考えましたがDTM などの機材・技術知識が必要になってしまいます。しかし実際、今後の音楽業界ではオンラインの比重が大きくなってくることを鑑みるとある程度の性能のマイクなどの機材をそろえないことには、しっかりとしたクオリティのものは提供できず、今後、自分自身もどのようなスタンス、方向性にしていくか見極めているところであります。一方でオンライン配信の一歩を踏み出せたことは大変大きな一歩で収穫でした。今回Youtube チャンネルを作成したところチャンネル登録してくださったかたも数名いらっしゃったので、この配信を楽しみにしてくださっている方がいる事も実感することができました。今後の励みになります。
コンサートを開催できない現状況でオンラインで楽しんでいただく方法は本当に素晴らしいと思います。配信用に作成し続ける場合はマネタイズ化も考えなければいけないとも感じております。
第2弾配信 「Oskar Merikanto Ma elän! (I am alive!)Op.71-1」
3. オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点
苦労した点は配信すること自体に対して自身の考え方のコントロールかもしれません。これまでクラシック音楽は生音に限ると信じ、ライヴにこだわってコンサートを表現の場にしてきたことから、マイク・画面を通した自分の音楽を動画で発信することへの抵抗も少なからず感じました。例えば自主コンサートを開催するときには会場選びは重要なポイントといえると思います。会場の音響がどうかを吟味します。今回の初回の動画は音楽祭での街角コンサート(オープンスペース)という位置づけのためマイクを使っており、そのためプロの音響技術さんが音質にこだわって演奏中も常に調整してくださっております。ですから実際にマイクを通してお聞かせするために作られた“音”、また実際にお客様に聞いていただいた音に近いものではないかと考えました。今後配信する過去動画も、そのポイントにこだわって選ぶと思います。
<配信プログラム>
Soprano Fumiko Sengoku Performance Movies
- 実施日:2020年4月28日第1弾公開、第2弾5月16日公開
- 内容:過去の演奏会出演記録動画を千石のYoutubeチャンネルにてお届けする
- 告知方法、使用した広報ツール:Facebook
- 使用した配信ツール:YouTube
- 視聴者の反応を得るために工夫した点:原語と和訳歌詞の掲載
- 視聴者数:
第1弾について177回(5月7日現在)